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3-(1) 産業における組織と労働の心理学概説
■1■労働の心理学。
(1)ワークモチベーション:仕事への動機付け、テイラー(経済的刺激)。
(2)人間関係論:ホーソン実験1924〜1932年(メイヨー教授、レスリスバーガー)→モラールの発見。
(3)内発的動機付け:マクレガー(X理論とY理論)、マズロー(欲求5段層説)、アルダーファ(ERG理論)。
(4)ハーズバーグの動機付け:動機要因、衛生要因。
■2■組織の心理学。
(1)企業と組織と個人:個人と組織の直接的統合。
(2)「組織人」基盤の揺らぎ:組織の揺らぎ、従業員の揺らぎ。
(3)コミュニティー心理学的発想の重要性:コミュニティアプローチ。
(4)産業カウンセラーに求められる能力への期待:アクションリサーチ、出前型。
(5)組織介入の条件:トップの問題意識が必要。
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■1■労働の心理学。
(1)ワークモチベーション。
仕事への動機付けであり、その性質や強さは個人が特定の報酬に対して感じている魅力と、努力すればその報酬が獲得できるであろうという主観的な可能性の両者の掛け合わせにより決まる。
・外発的動機付け:外部から褒美や罰を与えること(期待理論)→科学的管理法
・内発的動機付け:個人的特性による達成動機や親和動機→参加的管理方式
・テイラー:「経済的刺激が人間に対する唯一の動機付け」と考え、仕事への動機付けは、特別の奨励金を与えるという経済的刺激が必要であるとした→労働強化や労働者の疎外、抑圧が問題となり労働者を機会扱いしているという批判が集中した。

(2)人間関係論→ホーソン実験1924〜1932年(メイヨー教授、レスリスバーガー)。
・作業能率の決定は、モラール(勤労意欲)であるという発見。
 →企業組織の人間的側面、非公式組織側面への働きかけが重要。
 →物理的条件や経済的条件では、作業能率は変化しない。
 →メイヨーの考え「労働者は烏合の衆だ」。 
 →テイラーの考え「経済的刺激が人間に対する唯一の動機付け」を否定。
 →従業員の共同関係の維持発展を図るには、コミュニケーションが重要であり、面接が効果的であるとし、人事相談制度が発足した。(産業カウンセリングの源流のゆえん)

(3)内発的動機付け。
・マクレガー:人は本来怠け者であるというテイラーのX理論に対して、人は高い業績を上げたがっているという人間観のY理論を提起(1960年)。
 →マズローの「人間は本来旺盛な労働意欲を持つ」という考えの影響。
・マズロー:欲求段階層説。
 →人の基本的欲求を5段階に分類。
(1.生理的欲求 2.安全欲求 3.所属と愛の欲求(社会的欲求) 4.自尊欲求 5.自己実現欲求)。
 →1〜4は、欠乏欲求であり低次な欲求とされる。
 →5は、限りなき自己啓発、適正・能力の実現、限りなき成長を望む欲求。
  高次な欲求であり、人はなおも自分にふさわしいと思うことをしない限り、
  不満や不安を持つ。人が究極的に満足を得るのは、自分が潜在的に持って
  いる可能性を実現することであるとされる。
・アルダーファ:ERG理論→マズローの欲求段階説を修正、人間の欲求を3つに集約。
(1.生存欲求(E) 2.関係尾欲求(R) 3.成長欲求(G))
 →ERG理論とマズロー理論との相違点。
 1)3つの欲求は重なり合わない。
 2)低次の欲求が満たされなければ高次の欲求が起こらないと考えない(併存も可能)。
 3)高次の欲求が満たされないと低次の欲求に後戻りする。

(4)ハーズバーグの動機付け。
・仕事の満足をもたらす要因と不満足をもたらす要因を分析。
 →動機要因(満足要因):達成感、承認、責任、仕事そのもの、昇進。
 →衛生要因(不満足要因):会社との政策や経営、監督技術、賃金、対人関係、作業条件。
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■2■組織の心理学。
(1)企業と組織と個人。
・個人のモチベーションの基礎には社会的欲求がある。
・個人目標と集団目標との間に適合・調和の関係が出来ることが重要。
・良好な関係には、相互期待の関係が個人対組織の間に必要。
・組織と個人への取り組み:「新人間関係学派」アージリス、マグレガー、リッカート。
 →人間は本来持って生まれた能力を最大限に発揮することを望んでいる。その能力を発揮し、成長させ、自己実現や目標を達成するためには、組織の中で全体に関係のある重要な仕事に従事し、組織の意思決定に参加できることが必要であるとする。そのためには、全体と部分の相互作用、豊富なコミュニケーション、職務内容の充実と範囲の拡大、権限の下部委譲、参加の促進などを重視。(個人と組織の直接的統合)。

(2)「組織人」基盤の揺らぎ。
・組織のゆらぎ。
 →従業員の高齢化、経済の低成長期になり、役職ポスト不在、人件費の増大が課題。
 →そこで、日本的雇用慣行(終身雇用制、年功序列制)のみなおし→成果主義(能力主義、業績主義)が重視。
・従業員の働き方のゆらぎ。
→1973年 仕事志向44%、余暇仕事並立21%、余暇志向32%。
 1998年 仕事志向26%、余暇仕事並立35%、余暇志向37%。

(3)コミュニティー心理学的発想の重要性。
・人が元気に働くためには、個々人の自己管理と、人間関係を維持していく企業組織のシステムのあり方が影響する→個々のメンタルヘルス対策は企業組織ぐるみで考える必要性。
・この問題をその背景事情を含めて捉えるという発想:「コミュニティ・アプローチ」手法。→対象組織にコミットしていくプロセスが重要。

(4)産業カウンセラーに求められる能力への期待→問題解決に向けてのアクションリサーチ。
・アクションリサーチ:集団、組織、地域社会などのコミュニティで発生した諸問題の解決に向けて、実務者と研究者が共同で取り組む実践的研究技法。
・密室型ではなく、出前型。
・介入のプロセス。
 1.問題の気づき 2.介入計画の立案 3.介入の実行 4.結果の評価 5.理論化
 (情報の共有化と構成員との交流や相互理解の確認が重要)

(5)組織介入の条件:企業トップのメンタルヘルスに関する問題意識が必要。
 ア)・組織論的認識の重要性:メンタルヘルス組織の存在理由を周知させる。
  ・個人と組織の双方の健康度が高められ、機能が強化されるものにする。
  ・企業方針、産業界、行政のあり方にまで視野を広げ、社会にコミットしていくことが求められる。
 イ)トップの問題意識の重要性。
 ウ)組織のキーパーソンをつかむ。
 エ)トップの意思をトップダウン方式で上からしたに下ろしていくことが必要。
 オ)他の医療スタッフと共に専門家集団の一員として介入する。
| れいこ | 03. 産業組織と人事労務管理 | 02:38 | - | - |
3-(2) 人事労務管理概説
■1■人事労務管理とは。
(1)人事労務管理の機能。
(2)産業カウンセリングと人事労務管理の関係
(3)人事労務管理の諸領域
(4)人事労務管理システムを規定する内外環境
■2■人事労務管理の当面する課題
(1)人事労務管理システムを制約する内外環境の要因
■3■雇用管理
(1)雇用調整の方法
(2)人事制度
(3)人事考課制度
(3)賃金管理
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■1■人事労務管理とは。
人事労務管理とは、企業を構成する3つの経営資源のうち、ヒト(人的資源)にかかわる管理機能→3つの経営資源(1.ヒト(人的資源) 2.モノ(生産設備) 3.カネ(資本))

(1)人事労務管理の機能。
 1.企業の労働サービスの充足機能(人的資源の確保)。
 2.労働者の就業ニーズの充足機能(労働者の企業への期待の把握と充足)。
 3.個別的・集団的労使関係における利害調整、対立解消、安定維持の機能(人的資源の活用と報酬の双方の調整を図ること)
  (3.は、1と2の機能を円滑にするための前提条件)。

(2)人事労務管理の諸領域→人事労務管理は、雇用管理、報酬管理、労使関係管理の3つの領域に分けられる。
 1.雇用管理:労働者の採用(採用管理)、人的資源の開発(能力開発)、労働者の職場・仕事への配置(配置・異動)、労働サービスの供給量の調整(雇用調整)、退職管理など。
 2.報酬管理:賃金などの報酬システムの開発、労働サービスの評価(人事考課)、役職ポストの労働者への配分(昇進管理)、支払い能力に応じた総額人件費の管理(総人件費管理)、個別労働者賃金の配分、福利厚生などの付加給費の管理など。
 3.労使関係管理:労働者の職場環境や不満や要望の調整、解消をはかり、労働サービスが円滑に行われる個別的労使関係と、労働組合を通した集団的労使関係からなる。

(3)人事労務管理システムを規定する内外環境。
・内外経済の動向や社会的要請からなど制約を受ける。
・企業がどういう人事戦略を選択するかにより、人事労務管理システムも変化する。
・「柔軟な企業モデル論」:企業の労働力重要(量と質の両面)への対応能力を向上させると共に、労働市場の受容や支払い能力を適切に反映した労働費用の実現を目指したもの。(人的資源のセグメント化、業務の外部化、労働時間性の柔軟化、賃金制度の成果主義など)。
・「雇用ポートフォリオ論」:1995年日経連が発表した「新時代の『日本的経営』〜挑戦すべき方向とその具体策」→人材の育成と業務の効率化を図りつつ、仕事、ヒト、コストを最も効果的に組み合わせた企業を実現するために考えられたもの(長期貯蓄能力型、高度専門能力活用型、雇用柔軟型)。

■2■人事労務管理の当面する課題。
(1)人事労務システムを制約する内外環境の要因。
 1.労働力供給の構造化の変化→少子高齢化と労働市場への女性の進出。
 2.労働法の変化と人事労務管理→1980年代半ばから労働関係法の改正(男女雇用機会均等法(86年)、労働基準法(88年)、育児・介護休業法(92年)、高齢者雇用安定法(96年)、男女共同参画社会基本法(99年))。
 3.労働者の価値観の変化と雇用関係の変化→1970年代から、労働者の就業観、就業意識に変化が現れた。企業よりも家庭、余暇を重視するライフスタイルへと変化。

■3■雇用管理(採用から退職まで)。
(1)雇用調整の方法:残業削減、新規採用・中途採用の削減、中止(退職者不補充)、臨時工、アルバイト・パートの削減、配転、出向、希望退職者募集、最近では、分社化、ワークシェアリングなど。

(2)人事制度とは:従業員にどのような基準で仕事を与え、従業員をどのようにチェックし、管理するか、そしてそのためにどのような賃金制度にするかの客観的な基準。
・企業内の格付け(企業内資格)→職制とは別に、企業内における従業員の秩序や処遇を明らかにするために設けられている制度。
 →第二次世界大戦修了までは身分的資格制度→前近代は年功的資格制度→今日は1969年日経連提唱の能力主義管理による職能資格制度。
・職能資格制度の根幹:各職能資格が満たすべき職能要件をどうきめるかであり、一定の要件を満たしているかの判断をするのが人事考課。
・職能資格制度は従業員の能力開発を目指したもの。

(3)人事考課制度→人事考課制度の目的と役割。
評価し、それを被考課者にフィードバックすることにより、従業員の能力開発の促進に役立てる。人事考課によって選別し、従業員に刺激を与えようとするもの。
・評価の基準:能力評価、情意評価、業績評価の3つからなる。
 1.能力評価:仕事経験や教育訓練をとおしてストックされた職務遂行能力を対象。
 2.情意評価:組織の一員としての自覚や規律性や責任制、協調性や積極性などの仕事に取り組む過程を対象。
 3.業績評価:仕事の成果を対象とする。
・人事考課を実行するには、公平と透明性の確保が重要。
・考課者訓練:人事考課で陥りやすい傾向の訓練
 1.ハロー効果:ソ−ンダイクによる命名。全体的な印象によって、その人の個々の特性の評価が悪影響を受けること。
 2.寛大化傾向:実際の成績よりも甘く(高く)する評価。
 3.中央(中心)化傾向:評価結果が中央付近に集中し、差が出てこない傾向。
 4.論理誤差:客観性はないが、頭の中では論理的に関係があると思い込んでしまう効果要素間に現れる傾向。(例えば、社交性があると交渉力もあるという思い込みを持った評価)。

(4)賃金管理:賃金とは労働の対価であり、労働市場の需給のバランスによって決まる。
・1976年全都道府県で地域最低賃金が審議会方式によって決定され今日に至る。
・労使による労働協約によってのみその効果を上げられる。
・賃金に対する法的規制→「労働法関係法規」「男女雇用機会均等法」など。
・昇進管理:日本の賃金の基本は「年功的昇進管理」。
 1.「役職」と「資格」の人事制度の中でって「資格昇進選抜」によって情意資格に昇格し、「役職昇進選抜」によって上位役職に選ばれる。→長期の競争(従業員の動機付けに影響する)。
 2.欧米では、短期の競争で、経営幹部候補生が選抜され、2段とび3段とびで昇進。
| れいこ | 03. 産業組織と人事労務管理 | 14:47 | - | - |
3-(3) キャリアカウンセリング
1)キャリアとは。
■キャリア(Career)語源:フランス語「競馬場や競技場のトラックや車輪」に由来。
・概念:過去に何をやってきたか(経歴や職歴など)だけでなく、「これからどうやっていくのか」という未来の視点を重要視する。
■スーパーの定義(アメリカの心理学者)。
・人生を構成する一連の出来事。
・自己発達の中で、労働への個人の関与として表現される「職業」と、「人生の地の役割」の連鎖。
・青年期から引退期に至る報酬、無報酬の一連の地位。
・それには、学生、雇用者、年金生活者などの役割や、副業、家族、市民の役割も含まれる。
■木村周によるキャリアの説明。
・何らかの意味で上昇的な職業移動の要素を含んでいる。
・個人の生涯にわたって継続するものである。
・その個人にふさわしい人間的成長や自己実現を含む。
■キャリアカウンセリングとは。
・従来の「治療的」カウンセリングに対して「開発的」カウンセリングである。
・よりよい適応と成長、個人の発達を援助。
・人生を「職業」と「生涯発達」から捉えて個人の職業的キャリア発達過程を援助。
■キャリアカウンセリングの特徴。
・カウンセリングの目的が、問題行動の除去や治療ではなくて、より良い適応と成長、個人の発達を援助。
・職業選択、キャリア形成などの具体的目標達成を重視。
・システマティックアプローチで目標達成の方策を計画的・体系的にすすめる。
(手法は、認知的、行動的であるがとらわれず全体的は折衷的)。
・コンサルテーション、コーディネーション、エデュケーションの機能を重視。
・学校、職業相談機関、企業などの各分野で広く行われており、連携を重視。
・自己理解、職業理解、啓発的体験、進路や職業の選択、職場対応などのキャリア・ガイダンスに関連する。
※キャリア・ガイダンス:「マッチングモデル」青少年の失業と職業的未発達の問題、中年期の危機や高齢者の再就職、退職者のカウンセリングなど。
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(2)キャリアカウンセリングの基礎理論。
■大別すると4つある。
1.職業選択理論 2.状況的、社会的構造理論 3.心理学的構造理論 4.職業発達理論。
■1.職業選択理論⇒※特性因子理論 ※意思決定理論 ※期待理論の3つがある。
※特性因子理論(マッチング理論)。
・パーソンズの著書「職業の選択」が原型。
・パーソンズの見解:「人には個人差があり、職業には職業差がある。両者をうまく合致させることが、よい職業選択や職業適性をもたらす」→マッチング理論とも呼ばれる。
・一般職業適性検査(GATB)などがこの理論から誕生。

※意思決定理論。
・「職業選択は職業に関する意思決定の連鎖的な過程である」とする。
・キャリア・カウンセラーの役割は、本人の価値体系を的確に把握し、意思決定プロセスのある段階から次の段階への移行を援助することである。
・ジェラットの意思決定の3つのプロセス。
 @予測システム(選択可能な行動、その結果と確立を予測)。
 @価値システム(結果の望ましさを評価)。
 @決定システム(評価基準に基づき、目的にかなうものを選択)。

※期待理論:提唱者ブルーム。
・ブルームが、意思決定理論を数学的用語で説明したもの。
 @モチベーションを規定する3つの要因:期待、誘意性、道具性。
 @行為への力は、上記の3つの要因の「積」と規定。
(行動を起こすときは、その対象の誘因が正の価値であり、よい結果が期待される場合に、3つの要素が「場の力」となって行動を起こす大きさを決定)。

□構造理論⇒基本的考え方:人間と環境の相互作用を重視する。
・環境に力点を置く理論:状況的・社会的構造理論。
・個人に力点を置く理論:心理学的構造理論。
■2.状況的・社会的構造理論。
・構造理論のなかで「環境」に重点を置く理論(個人−環境適合理論)とも呼ぶ。
・職業選択やキャリア形成は、家族の影響を重視する考えがある。
・ハーらの理論(家族の影響重視)。
 @家族は職業的知識を拡大したり、限定するような経験を促進。
 @家族は職業行動を形成する偶然の出来事や期待を強化するシステム。
 @家族は社会的、経済的地位の調達者。

■3.心理学的構造理論。
・構造理論の中で「個人の心理的要因」に焦点をおく理論。
・ホランドの理論。
 @職業選択やキャリア形成は、個人の行動スタイルや人格類型と環境との相互作用の結果である。
 @人は社会的・環境的課題に取り組む独自の方法を身につける。
 @ホランドの6類型を提唱。
 「個人も環境も6つの類型に分けられ、類型が同一であることによる調和的相互作用によってより安定した職業選択や、高い職業達成が得られる」。
 @ホランドの6つの類型:現実的、研究的、企業的、社会的、芸術的、慣習的。
 @ホランド理論に基づいたテスト:職業興味検査(VPI)、職業レディネステスト(Vo検査)。

■4.職業発達理論。
「人間の職業にかかわる行動、すなわち職業行動は他の行動と同様生涯にわたって発達しつづける」という基本的仮説。
・スーパーの理論。
 @個人は多様な可能性を持っており、様々な職業に向かうことが出来る。
 @職業発達は、個人の全人的な発達の一つの側面であり、他の知的発達、情緒的発達、社会的発達などと同様、発達の一般原則に従うものである。
 @キャリア発達過程は、自己概念を発達させ、それを職業を通して実現していくことを目指した漸進的、継続的、非可逆的なプロセスであり、かつ、妥協と統合の過程である。
 @生涯キャリア発達過程を5段階に整理⇒生活段階と下位段階:マクシサイクル
 @「一生を通して人は如何に多様な役割を果たし、それぞれの役割が相互に関連しあっているか」を説明⇒「ライフキャリアレインボー・モデル」(生涯経歴の虹)。

・シェインの理論。
「欲求と動因の組み合わせが、効果的なキャリアアンカーの役割を果たす。個人のキャリアは部分的には仕事の種類や組織の規範にアンカーされていると共に、自分が満足させたい欲求や動機によってもまたアンカーされている」とする。
 @キャリアアンカー:個人が選択を迫られたときに、最後まで手放したくないもの(欲求、価値観、能力など)⇒自己像の中心。
 @キャリアアンカーを8分類⇒専門的コンピタンス、経営管理コンピタンス、安定、起業家的創造性、自律(自立)、社会貢献、全体性との調和、チャレンジ。
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(3)キャリアカウンセリングの実際。
■キャリア形成支援の必要性。
・産業社会の変化。
 @社会環境の変化(国際化、情報化、少子高齢化、価値観の多様化など)。
 @企業経営の変化(競争激化、低成長、人員削減、雇用流動化など)。
 @人事制度の変化(成果主義、専門性重視、処遇時価主義など)。
 @個人の変化(自立、自己責任、エンプロイアビリティ(就業能力=雇用される能力)、人生80年など)。
・キャリアカウンセリングの必要性。
 @個人:将来どの方向を目指し、自分をどう活かせばいいのか葛藤。
 @企業:多様な人たちにどうかかわり、どう育成し、どう共生すべきかの問題。
 ⇒進路、職業や能力開発の援助をするキャリアカウンセリングが必要。

■キャリアカウンセラーの業務:6分野。
・自己理解:自分自身をあるがままに理解するための援助。
・職業理解:適切な情報提供。
・啓発的経験:選択や意思決定の前の試行的な体験。
・カウンセリング:自己決定の援助。
・方策の実行:意思決定したことを実行できるように援助。
・追指導・職場適応:進学、就職、キャリアルート選択後に適応できるようにフォローアップと追指導。
■キャリアカウンセリングの進め方。
1.相談場面の設定:本音が話せる信頼関係と相互理解。
2.自己理解:自分自身を的確に把握できる援助。
3.仕事理解:情報提供とキャリア指向性への合致、選択の支援。
4.啓発的経験:インターンシップ、職業訓練、ボランティアなどの体験。
5.意思決定:具体的な最終目的の決定と、Coにコミットメント(公約)。
6.方策の実行:選択したキャリア目標の実現に向けて、能力開発や応募する段階などの支援。
7.新たな仕事への適応:新しい仕事や環境に適応できるよう適切な助言やフォロー。
8.相談過程の総括:合意のうえで集結(Coは、目標は達成されたか、どう進歩したか、助言過程の問題点などを点検)。

■留意点。
・Clが何を期待しているか目標を明確に把握する→Cl自身無自覚の場合もある。
・Clがどう変わりたいのか、どうすればそれが出来るのか、何が妨げになっているのか、Coに何をしてほしいのかなどの課題を明確に認識。
・Clのパーソナリティを出来る限り的確に把握。
・Coは何ができ、何ができないか、又、Clは何をするのか、具体的に両者の確認と、Clの積極行動へのコミットメント(公約)を確認。

■キャリア・ディベロップメント(CD):「キャリア発達」「キャリア開発」。
・「Clがさまざまな場面で意思決定しながら、自分自身のキャリアを発達発展させること」。
・Clの視点に立つ場合:キャリア発達
・指導者、促進者の視点に立つ場合:キャリア開発
・キャリア・ディベロップメント・プログラム。
 @キャリア発達を促進するプログラム(CDP)。
 @自己申告、進路選択、教育訓練、職種転換、留学、育成などの人事制度が含まれる。

■キャリアカウンセラーに必要な能力。
・折衷的アプローチ:Clのニーズ、状況に対応できる諸技術の統合。
・システム思考能力:Clごとにキャリア発達プログラムを開発し運営する能力。
・コンサルテーション能力:Clの職業能力開発やエンプロイアビリティ(就業能力=雇用される能力)の向上に専門的に助言できる能力。
・リサーチ能力:業界、職種の現状と将来性を調査分析する能力。
・コーディネーション能力:企業や専門機関等と連携をとりClのために調整を行う能力。
・アセスメント(見立て)能力:Clの自己理解を深めるための見立てを行う能力。
| れいこ | 03. 産業組織と人事労務管理 | 00:15 | - | - |