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3-(3) キャリアカウンセリング
1)キャリアとは。
■キャリア(Career)語源:フランス語「競馬場や競技場のトラックや車輪」に由来。
・概念:過去に何をやってきたか(経歴や職歴など)だけでなく、「これからどうやっていくのか」という未来の視点を重要視する。
■スーパーの定義(アメリカの心理学者)。
・人生を構成する一連の出来事。
・自己発達の中で、労働への個人の関与として表現される「職業」と、「人生の地の役割」の連鎖。
・青年期から引退期に至る報酬、無報酬の一連の地位。
・それには、学生、雇用者、年金生活者などの役割や、副業、家族、市民の役割も含まれる。
■木村周によるキャリアの説明。
・何らかの意味で上昇的な職業移動の要素を含んでいる。
・個人の生涯にわたって継続するものである。
・その個人にふさわしい人間的成長や自己実現を含む。
■キャリアカウンセリングとは。
・従来の「治療的」カウンセリングに対して「開発的」カウンセリングである。
・よりよい適応と成長、個人の発達を援助。
・人生を「職業」と「生涯発達」から捉えて個人の職業的キャリア発達過程を援助。
■キャリアカウンセリングの特徴。
・カウンセリングの目的が、問題行動の除去や治療ではなくて、より良い適応と成長、個人の発達を援助。
・職業選択、キャリア形成などの具体的目標達成を重視。
・システマティックアプローチで目標達成の方策を計画的・体系的にすすめる。
(手法は、認知的、行動的であるがとらわれず全体的は折衷的)。
・コンサルテーション、コーディネーション、エデュケーションの機能を重視。
・学校、職業相談機関、企業などの各分野で広く行われており、連携を重視。
・自己理解、職業理解、啓発的体験、進路や職業の選択、職場対応などのキャリア・ガイダンスに関連する。
※キャリア・ガイダンス:「マッチングモデル」青少年の失業と職業的未発達の問題、中年期の危機や高齢者の再就職、退職者のカウンセリングなど。
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(2)キャリアカウンセリングの基礎理論。
■大別すると4つある。
1.職業選択理論 2.状況的、社会的構造理論 3.心理学的構造理論 4.職業発達理論。
■1.職業選択理論⇒※特性因子理論 ※意思決定理論 ※期待理論の3つがある。
※特性因子理論(マッチング理論)。
・パーソンズの著書「職業の選択」が原型。
・パーソンズの見解:「人には個人差があり、職業には職業差がある。両者をうまく合致させることが、よい職業選択や職業適性をもたらす」→マッチング理論とも呼ばれる。
・一般職業適性検査(GATB)などがこの理論から誕生。

※意思決定理論。
・「職業選択は職業に関する意思決定の連鎖的な過程である」とする。
・キャリア・カウンセラーの役割は、本人の価値体系を的確に把握し、意思決定プロセスのある段階から次の段階への移行を援助することである。
・ジェラットの意思決定の3つのプロセス。
 @予測システム(選択可能な行動、その結果と確立を予測)。
 @価値システム(結果の望ましさを評価)。
 @決定システム(評価基準に基づき、目的にかなうものを選択)。

※期待理論:提唱者ブルーム。
・ブルームが、意思決定理論を数学的用語で説明したもの。
 @モチベーションを規定する3つの要因:期待、誘意性、道具性。
 @行為への力は、上記の3つの要因の「積」と規定。
(行動を起こすときは、その対象の誘因が正の価値であり、よい結果が期待される場合に、3つの要素が「場の力」となって行動を起こす大きさを決定)。

□構造理論⇒基本的考え方:人間と環境の相互作用を重視する。
・環境に力点を置く理論:状況的・社会的構造理論。
・個人に力点を置く理論:心理学的構造理論。
■2.状況的・社会的構造理論。
・構造理論のなかで「環境」に重点を置く理論(個人−環境適合理論)とも呼ぶ。
・職業選択やキャリア形成は、家族の影響を重視する考えがある。
・ハーらの理論(家族の影響重視)。
 @家族は職業的知識を拡大したり、限定するような経験を促進。
 @家族は職業行動を形成する偶然の出来事や期待を強化するシステム。
 @家族は社会的、経済的地位の調達者。

■3.心理学的構造理論。
・構造理論の中で「個人の心理的要因」に焦点をおく理論。
・ホランドの理論。
 @職業選択やキャリア形成は、個人の行動スタイルや人格類型と環境との相互作用の結果である。
 @人は社会的・環境的課題に取り組む独自の方法を身につける。
 @ホランドの6類型を提唱。
 「個人も環境も6つの類型に分けられ、類型が同一であることによる調和的相互作用によってより安定した職業選択や、高い職業達成が得られる」。
 @ホランドの6つの類型:現実的、研究的、企業的、社会的、芸術的、慣習的。
 @ホランド理論に基づいたテスト:職業興味検査(VPI)、職業レディネステスト(Vo検査)。

■4.職業発達理論。
「人間の職業にかかわる行動、すなわち職業行動は他の行動と同様生涯にわたって発達しつづける」という基本的仮説。
・スーパーの理論。
 @個人は多様な可能性を持っており、様々な職業に向かうことが出来る。
 @職業発達は、個人の全人的な発達の一つの側面であり、他の知的発達、情緒的発達、社会的発達などと同様、発達の一般原則に従うものである。
 @キャリア発達過程は、自己概念を発達させ、それを職業を通して実現していくことを目指した漸進的、継続的、非可逆的なプロセスであり、かつ、妥協と統合の過程である。
 @生涯キャリア発達過程を5段階に整理⇒生活段階と下位段階:マクシサイクル
 @「一生を通して人は如何に多様な役割を果たし、それぞれの役割が相互に関連しあっているか」を説明⇒「ライフキャリアレインボー・モデル」(生涯経歴の虹)。

・シェインの理論。
「欲求と動因の組み合わせが、効果的なキャリアアンカーの役割を果たす。個人のキャリアは部分的には仕事の種類や組織の規範にアンカーされていると共に、自分が満足させたい欲求や動機によってもまたアンカーされている」とする。
 @キャリアアンカー:個人が選択を迫られたときに、最後まで手放したくないもの(欲求、価値観、能力など)⇒自己像の中心。
 @キャリアアンカーを8分類⇒専門的コンピタンス、経営管理コンピタンス、安定、起業家的創造性、自律(自立)、社会貢献、全体性との調和、チャレンジ。
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(3)キャリアカウンセリングの実際。
■キャリア形成支援の必要性。
・産業社会の変化。
 @社会環境の変化(国際化、情報化、少子高齢化、価値観の多様化など)。
 @企業経営の変化(競争激化、低成長、人員削減、雇用流動化など)。
 @人事制度の変化(成果主義、専門性重視、処遇時価主義など)。
 @個人の変化(自立、自己責任、エンプロイアビリティ(就業能力=雇用される能力)、人生80年など)。
・キャリアカウンセリングの必要性。
 @個人:将来どの方向を目指し、自分をどう活かせばいいのか葛藤。
 @企業:多様な人たちにどうかかわり、どう育成し、どう共生すべきかの問題。
 ⇒進路、職業や能力開発の援助をするキャリアカウンセリングが必要。

■キャリアカウンセラーの業務:6分野。
・自己理解:自分自身をあるがままに理解するための援助。
・職業理解:適切な情報提供。
・啓発的経験:選択や意思決定の前の試行的な体験。
・カウンセリング:自己決定の援助。
・方策の実行:意思決定したことを実行できるように援助。
・追指導・職場適応:進学、就職、キャリアルート選択後に適応できるようにフォローアップと追指導。
■キャリアカウンセリングの進め方。
1.相談場面の設定:本音が話せる信頼関係と相互理解。
2.自己理解:自分自身を的確に把握できる援助。
3.仕事理解:情報提供とキャリア指向性への合致、選択の支援。
4.啓発的経験:インターンシップ、職業訓練、ボランティアなどの体験。
5.意思決定:具体的な最終目的の決定と、Coにコミットメント(公約)。
6.方策の実行:選択したキャリア目標の実現に向けて、能力開発や応募する段階などの支援。
7.新たな仕事への適応:新しい仕事や環境に適応できるよう適切な助言やフォロー。
8.相談過程の総括:合意のうえで集結(Coは、目標は達成されたか、どう進歩したか、助言過程の問題点などを点検)。

■留意点。
・Clが何を期待しているか目標を明確に把握する→Cl自身無自覚の場合もある。
・Clがどう変わりたいのか、どうすればそれが出来るのか、何が妨げになっているのか、Coに何をしてほしいのかなどの課題を明確に認識。
・Clのパーソナリティを出来る限り的確に把握。
・Coは何ができ、何ができないか、又、Clは何をするのか、具体的に両者の確認と、Clの積極行動へのコミットメント(公約)を確認。

■キャリア・ディベロップメント(CD):「キャリア発達」「キャリア開発」。
・「Clがさまざまな場面で意思決定しながら、自分自身のキャリアを発達発展させること」。
・Clの視点に立つ場合:キャリア発達
・指導者、促進者の視点に立つ場合:キャリア開発
・キャリア・ディベロップメント・プログラム。
 @キャリア発達を促進するプログラム(CDP)。
 @自己申告、進路選択、教育訓練、職種転換、留学、育成などの人事制度が含まれる。

■キャリアカウンセラーに必要な能力。
・折衷的アプローチ:Clのニーズ、状況に対応できる諸技術の統合。
・システム思考能力:Clごとにキャリア発達プログラムを開発し運営する能力。
・コンサルテーション能力:Clの職業能力開発やエンプロイアビリティ(就業能力=雇用される能力)の向上に専門的に助言できる能力。
・リサーチ能力:業界、職種の現状と将来性を調査分析する能力。
・コーディネーション能力:企業や専門機関等と連携をとりClのために調整を行う能力。
・アセスメント(見立て)能力:Clの自己理解を深めるための見立てを行う能力。
| れいこ | 03. 産業組織と人事労務管理 | 00:15 | - | - |
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