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1-(2) アメリカにおける産業カウンセリングの発展
1920年代に入って、アメリカの企業が従業員の職場適正のために援助の必要性を認めるようになった。発展の原動力となった研究。
●ホーソン実験:ハーバード大学のメイヨー教授(心理学の専門家)ら
・シカゴ郊外にあるウエスタン・エレクトリック社のホーソン工場の、
 従業員の不平不満に対する実験
・能率や生産性の向上には、作業環境や労働条件よりも従業員の態度(モラル)であり、
 職場の人間関係ではないかとされた
・1928年から不平不満を分析する面接計画の実施→気持ちを汲み取るには不十分であった
・1929年面接方法の改正→言いたいことを自由に言わせる。面接官も傾聴の訓練済み
            結果:不平不満が吐露された
・1936年面接制度発足→人事相談が開始された

●メーシー百貨店:精神科医アンダーソン博士
・1924年ごろから4年にわたり、チームを組んで従業員との面接を行った。
・「従業員の行動の徴候だけを見て問題視するのでなく、その行動の奥にある
  原因を調べてカウンセリングを行うことによって、彼らの適応をより高める
  ことができる。それは本人のためだけでなく、会社にもメリットがある」
・面接の結果:1/3が退職し、2/3の勤務態度が向上
 →(新規採用や教育訓練にかかる費用が節約できた)

●オークリッジ工場
・テネシー州オークリッジは第二次世界大戦後、農業地帯から工業地帯に急変し、軍事機密に対する厳しい守秘義務などによって、社員に神経症、情緒不安定、ホームシック、子供の飛行などの問題が続出。
・解決策:ア)社員寮付きカウンセラーを任命。
     イ)精神的ケアのための病院作りや、早期発見・早期治療。
・結果:抑圧されていた心の悩みを吐き出すことができ、心身の適切な治療が
    受けられる大きな効果があった。

●キャタピラープログラム。
・大手トラクターメーカー キャタピラーの従業員離職、欠勤、事故などの
 問題改善計画。
・1940年ごろ、定着と健康改善を計るための計画。
・特色:全て心理学者(サイコロジスト)主導のもとに企画・実施された。
・下記の計画によって、職場不適応の改善、災害防止などに大きな効果があった。
ア)採用にあたって、知能テスト、適正テスト、情緒的適応テストと面接などを実施。
イ)心の悩みについて、「パーソナルコンサルタント」によるカウンセリングの実施。
ウ)採用担当者や管理監督者に対し、心理学的知識や面接スキルなどの教育訓練。
エ)全従業員に対し、精神衛生に関する読書指導の実施。

●EAP(Employee Assistance Programs:従業員援助制度)。
・従業員へのカウンセリングを専門機関に委託するアウトソーシング。
・1940年代に従業員と家族のアルコール依存症による企業損失対策として始められ、
 著しい経済効果を挙げた。
・特徴。
ア)問題解決を援助することが作業能率と生産性の向上につながるという考え。
イ)短期カウンセリングを原則とする。
ウ)従業員に対する教育、啓発、広報、リサーチ評価など手広く請け負っている。
| れいこ | 01. 産業カウンセリングの発展 | 14:57 | - | - |
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